紀州印工房では、全ての印鑑を”手仕上げ”で作成しております。聞きなれない言葉かもしれませんが、「手仕上げ印鑑」とは機械彫りした印鑑を彫刻士が仕上げ刀で仕上げる手法の印鑑をいいます。何も彫っていない印材から完全手作業で彫り始める”手彫り印鑑”とは異なり、手で彫刻する開始地点が機械で彫った後、ということです。
では、手仕上げ印鑑と機械彫りの印鑑と異なる点はというと、実物を見ていただくのが一番!なのですが手元にいきなり手仕上げ印鑑をお届けする事は難しいので、写真でご覧いただきます。
上の印鑑を見比べてみてください。右側の印鑑が紀州印工房の一級印章彫刻士が手仕上げした印鑑で、左の印鑑が機械で彫刻しただけの印鑑です。その違いは一目瞭然かと思います。 機械彫りの印鑑との違いは、お客様の目で見て判断していただくのが一番です。機械彫りの印鑑は曲線部分が規則的ですし、ラインの太さが均一で直角です。 同じ機械があれば同じ印鑑が作れてしまう危険性もあります。そして機械彫りは捺印したときに印影が太く、洗練されていない印象を受けてしまいます。
印稿は、一等版下士がご注文を頂く度にその都度、手書きで作成しており、この時点で既に量販店の印鑑とは一線を画します。
さらに手仕上げ印鑑は曲線部分のひとつひとつが不規則で、上面と底面の太さが違い台形状になっています。上面よりも底面が太くなるように彫っています。こうすることで、細い線の部分でも強度が増して欠けにくくなります。これも手仕上げ印鑑の大きな特徴です。1mm単位でのきめ細やかな仕上げにより、押したときの印影のラインの流麗さは機械彫りの印鑑とは比べものにならない美しさです。
私どもは、この手仕上げの印面を「生きた印面」と呼んでいます。想いを込めて仕上げることによって、生命を持っているかのような有機的な息づかいを感じるためです。
手仕上げ印鑑の印影は印稿を職人が手書きで作成しております。ここから、 さらに彫刻士が手仕上げを施し、生きた印面を彫っていきます。 だから、パソコンフォントをそのまま使用して仕上げ彫りをしない機械彫り印鑑より、文字を手書きで書き、手仕上げをする印鑑は同じ印鑑が出来にくいです。もし紛失・破損してしまったら、手書き文字で職人が手仕上げしておりますので、もう一度印鑑を登録する必要がありますが、セキュリティー面で安心して頂けます。
紀州印工房が作る印鑑は、巷で安く売られている、機械で彫っただけの印鑑とは違います。 機械彫りの印鑑は、彫刻する機械さえ購入すれば誰でも、簡単に印鑑を作ることが出来るのに対して、当店の印鑑は、きちんと国が認めた資格を取得した一級印章彫刻技能士が1本1本丁寧に、手作業で仕上げ刀を使って手仕上げしています。このような手仕上げ印鑑は経験と技術が物をいうので、大量生産の機械彫りでは決して真似出来ません。それは、当店の印鑑を見て頂ければ納得していただけるはずです。
印鑑を手仕上げするのは、全国印章技術大競技会にて密刻の部で日本一に輝いた、数々の受賞歴を持つ若き一級印章彫刻技能士、四代目「上野山有徳」です。
印章彫刻士 四代目店主:上野山 有徳(うえのやま ゆうとく)
一級印章彫刻技能士、全国印章技術大競技会 木口密刻の部で日本一に
四代目として店を継ぎ、中尾明文堂・ネット店を設立。印鑑の彫刻、ネットショップ店長として、さらに姓名判断や画数鑑定などもこなします。2010年、念願の一級彫刻士の資格を取得、2012年には全国印章技術大競技会 木口密刻の部において、世界文化遺産賀茂御祖神社宮司賞(最高位賞)を受賞いたしました。 「一生が勉強」を胸に精進致します。
近畿経済産業局長賞受賞、技術展覧会 金賞受賞 合計8回の一級彫刻技能士の方に仕上げの手伝いして頂いております。
【 有徳からの一言 】
全国的にも有名な印章作家さんです。数々の受賞歴はもちろん丁寧でまじめな人です(気さくな方です)仕事は早くて綺麗で正確です。私が自信を持って推薦する印章作家さんです。
印章彫刻士の道に入り、何年かが経ちました。やっと印鑑について少しはわかり始めたかな?という感じです。時間があれば印鑑の辞書を眺めています。家に帰っても半身浴をしながら、展覧会の上位作品の印鑑を眺めながら物思いにふけります。ここがこうなってとか・・・ 仕事が終わってからの時間は、勉強のために印鑑を夢中で彫っています。時間が経つのを忘れて夢中になるとはこの事だなと思います。気が付くと午前0時をまわっている事はしょっちゅうです。
印鑑を彫るのは楽しいです。小学校の頃、図工の時間夢中になって出来上がりがとても嬉しかった頃のように、今も職人の図工の時間みたいです。印鑑が出来上がり、それが納得のいく印鑑だといつまでも眺めていたくなってしまいます(笑)。 ある著名な印章彫刻士のお言葉ですが、「一級彫刻士の資格を取ってからが職人としての第一歩だ」と言っておりました。私も2010年、念願の一級彫刻士の資格を取り、これからが職人としての第一歩だと思っております。今後は技術の幅を広げ、お客様に喜んで頂けるような仕事をが出来るようになりたいです。そして「一生が修行」を胸に精進致します。
2012年9月、第19回全国印章技術大競技会 木口密刻の部にて、最高位となる世界文化遺産賀茂御祖神社宮司賞を受賞いたしました。賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)は京都市左京区にある神社で通称は下鴨神社とよばれています。印章の神様を祀る下鴨神社にまつわる賞をいただいたことは、印鑑を彫る印章彫刻士としてはとても名誉なことでございます。これに満足せず、より一層の精進をお約束いたします。
平成21年 | 第57回 大阪府印章技術展覧会 褒賞第4席 |
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平成22年 | 厚生労働大臣認定 一級印章彫刻技能士 |
平成22年 | 第58回 大阪府印章技術展覧会 角印の部 入選 第58回 大阪府印章技術展覧会 密刻の部 褒賞 |
平成23年 | 第59回 大阪府印章技術展覧会 密刻の部 金賞 第59回 大阪府印章技術展覧会 技術委員長賞 第59回 大阪府印章技術展覧会 角印の部 褒賞 |
平成24年 | 第19回 全国印章技術大競技会 木口密刻の部 大会特別賞 第一位 世界文化遺産賀茂御祖神社宮司賞 第19回 全国印章技術大競技会 木口実印の部 銀賞 第60回 大阪府印章技術展覧会 密刻の部 金賞受賞/大阪府中央会会長賞 第60回 大阪府印章技術展覧会 木口 実印・認印の部 銀賞 第60回 大阪府印章技術展覧会 木口密刻の部 無監査作家 |
平成25年 | 第38回 九印連技術競技会 実印の部 鹿児島県知事賞(九印連技術競技会最高位賞) 第38回 九印連技術競技会 角印の部 銀賞 第61回 大阪府印章技術展覧会 木口 実印・認印の部 金賞/全印協会長賞 第61回 大阪府印章技術展覧会 木口 角印の部 銅賞 |
全国印章技術大競技会 無監査作家 | |
平成26年 | 第20回 全国印章技術大競技会 木口角印の部 銀賞 第20回 全国印章技術大競技会 木口実印の部 銅賞 |
平成28年 | 第21回 全国印章技術大競技大会 木口実印の部 金賞 第64回 大阪府印章技術展覧会 大阪府知事賞 第28回 大阪府技能競技大会 大阪府知事賞 |
2016年、第64回大阪府印章技術展覧会。そして第28回大阪府技能競技大会にて、 大会二位と大会最高位となる大阪府知事賞を受賞し、表彰式の様子が業界紙(月刊現代印章2016/12月号 月刊文具2016/11月号)に掲載されました。これに満足せず、より一層の精進をお約束いたします。
2013年5月19日、東京ビッグサイトで行われたデザインフェスタvol.37にて、印章彫刻士として密刻の実演彫刻を行わせていただきました。素敵なデザインの下絵はあらかじめ頂いていたので、会場では粗彫りと仕上げを行いました。非常に良い経験が出来ました。印章業界の発展に少しでも貢献出来れば幸いです。
印鑑をつくるための道具を紹介いたします。 印鑑をつくりはじめたときからず~っと使い続けているので、かなり年季が入っているものもありますが、このような道具をつかって印鑑はつくられています。
紀州印工房は高野山、熊野三山、熊野古道といった日本でも有数の霊的な聖地が存在する和歌山県、有田市(ありだし)において、一級印章彫刻技能士である上野山有徳が店主を勤めております、印面にこだわった印判店でございます。 印鑑は一級印章彫刻技能士である上野山有徳が1本1本すべて手仕上げ、書体は一等版下士が注文毎に一つ一つ手書きで作成。印鑑の神髄は印面にこそあり、という信念を持って印鑑作成に励んでおります。印材に凝ったり、奇抜さだけを狙ったりせずに、私たちだからこそできる、技術と知識を凝縮した唯一無二の印鑑を自信を持ってお届けいたします。